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Sakana Fugu MaxはClaude Fable 5の代替になる?AIがAIを選ぶ時代の導入判断|Ultra v2対応

6月23日
読了時間: 9分

更新日:12 分前


先に結論。2026年9月11日に発表されたFugu Max / Fugu Ultra v2を見ても、Sakana FuguをClaude Fable 5の「完全な代替」と断定するのは早いです。ただし、AIの使い分けは「人が毎回モデルを選ぶ」段階から、仕事の内容に応じてAI側が適したモデルを選ぶ段階へ進み始めています。中小企業にとって重要なのは、最強モデルを増やすことではなく、自社の1業務をどの方式で最も安全・安価・確実に完了できるかです。


【2026年9月11日更新】Sakana AIがFugu MaxとFugu Ultra v2を発表しました。両者は別々の基本製品というより、同じ中核オーケストレーション設計を2つの目的に最適化した方向です。Fugu Maxはコストと性能のバランスを重視し、仕事を処理できる必要十分なモデルへ振り分ける方向。Fugu Ultra v2は複雑・多段階の難しいタスクで高い性能を狙う方向です。今回の発表はオーケストレーションという考え方をゼロから生んだものではなく、既存Fuguの拡張です。性能比較はSakana AI公表値であり、第三者による再現性は本記事更新時点では確認していません。


はじめに:いま起きているのは「最強AI探し」から「仕事に合うAIを選ぶ設計」への変化


このページを2026年6月に公開したきっかけは、Claude Fable 5のアクセス停止でした。実務で重要だったのは、技術論争そのものではなく、高性能なモデルでも提供条件が変われば業務継続性に影響するという事実です。

そのためHSでは、1つのAIへ全業務を集約するのではなく、計画・判断、市場の反証、実装、運用を役割分担し、仕事に合うAIへ振り分ける設計を採っています。今回のFugu Max / Ultra v2は、この考え方が外部の製品設計でも一段進んだ事例として見ています。



1. Sakana Chat / Fugu / Fugu Max / Fugu Ultra v2 / Marlinの違い


まず混同しやすい名称を分けます。Fuguを「通常業務向けの単体ベースモデル」と捉えるのは現在の理解として不正確です。Fuguは、複数のLLMを仕事に合わせて呼び分け、必要なら協働させる仕組みを、1つのモデル/APIのように利用できるようにしたSakana AIのオーケストレーション型システムです。


対象

位置づけ

実務での見方

Sakana Chat

ブラウザ型のチャットサービス

Fugu APIとは別物として扱う

Fugu(基本設計)

複数LLMを呼び分け・協調させるオーケストレーション

「単体最強」ではなくモデル選択そのものを仕組み化

Fugu Max

同じ中核設計をコスト/性能へ最適化

必要十分なモデルへ振り分け、過剰コストを避ける方向

Fugu Ultra v2

同じ中核設計を高難度・複雑タスクへ最適化

複数段階の難しい仕事で最高性能を狙う方向

Marlin

戦略リサーチ系の別サービス

FuguのAPIモデル群とは目的を分けて考える


Fugu MaxとFugu Ultra v2は「同じ設計の2方向」

MaxとUltra v2は、片方が廉価版、片方が単純な上位版というより、同じFuguの中核アーキテクチャを異なる目的へ最適化したものと見る方が実務的です。軽い仕事まで毎回最高コストのAIへ渡す必要はなく、逆に複雑な仕事では複数AIを組み合わせる価値が出ます。



AIオーケストレーションとは?

平たく言えば「複数のAIを仕事に合わせて振り分け、必要なら協働させる仕組み」です。Fuguでは、固定ルールだけでなく、問題に応じて使うモデルや協調のしかたを動的に選ぶ方向が採られています。



2. Fugu Max / Ultra v2はClaude Fable 5の代替になるのか


結論は引き続き「完全代替と断定しない」です。Sakana AI公表の評価では、Fugu Ultra v2は複数のベンチマークで上位の結果を報告しています。一方で、ベンチマーク上の順位と、自社の実務での安定性・速度・コスト・操作感は別問題です。

文章生成、調査、コードレビューなどで代替候補になる領域はありますが、Claude Codeのような開発体験や、長時間処理での安定性、既存ツールとの接続まで含めて同じとは限りません。だから「入れ替える」より「限定用途で検証し、補完できるかを見る」が現時点の妥当な判断です。

Fuguの実務価値は、OpenAI互換のAPIインターフェースとして既存ワークフローへ試しやすいことにもあります。ただし、組み込みやすいことと、本番採用すべきことは同じではありません。



3. 人がAIを使い分ける時代から、AIがAIを使い分ける時代へ


AI活用は大きく3段階に分けると理解しやすくなります。


段階

選び方

向く場面

注意点

人が選ぶ

担当者が都度判断

業務量が少ない / 重要判断

属人化しやすい

固定ルールで選ぶ

事前ルールで振り分け

定型業務

例外に弱い

AIが動的に選ぶ

内容・難易度に応じて振り分け

業務が多様 / 難易度差が大きい

コストと挙動の監視が必要


  • 1つの強い汎用AIだけで十分な会社も多くあります。

  • 定型業務では、固定ルールや通常の自動化の方が安く確実な場合があります。

  • モデル数・エージェント数をKPIにしてはいけません。

  • 複数AIの協働は、仕事の複雑さが追加コストと管理負担を正当化するときだけ使うべきです。



4. HSでの実践:モデル数ではなく「誰に何を任せるか」を設計する


HSでは、計画・判断、市場の反証、実装、運用を役割分担し、仕事に合うAIへ振り分ける設計を採っています。価値は契約しているモデル数ではなく、誰に何を任せ、どこで人が確認するかを決めることにあります。

具体的な役割分担の考え方は、Claude・Fugu・GPTなどの役割分担を比較するで整理しています。

技術面の「振り分け」と失敗時の戻し方は、AIをどう振り分け、失敗時にどう戻すかを見るで詳しく解説しています。



5. 実業務にAIオーケストレーターを導入する前の7チェック


新しいAIを増やす前に、次の7点を確認してください。Fuguに限らず、複数AIを業務へ入れるときの共通判断軸です。


① 常に最高性能が必要か、必要十分でよいか

軽い要約や定型処理まで最高性能・最高コストのAIへ渡す必要はありません。品質要件を先に決める方が、モデル選びより重要です。


② 1モデルで足りるか、複数AIの協働が必要か

単一の汎用AIで十分なら、構成を増やさない方が運用は安定します。複数AIは、役割分担によって明確な品質差や継続性が得られる場合に限定します。


③ 公表ベンチマークを自社業務で再検証するか

Sakana AI公表のベンチマークは重要な参考情報ですが、自社の文書、コード、調査タスクで同じ優位性が出るとは限りません。限定用途でPoCしてから判断します。


④ 固定ルールや通常の自動化で代替できないか

定型業務は、動的なAIルーティングより固定ルールの方が安く、挙動も予測しやすい場合があります。高度な仕組みを入れること自体を目的にしません。


⑤ モデル数・エージェント数を目的化していないか

評価すべきはAIの数ではなく、許容できる品質・コスト・確認負担で仕事が完了するかです。


⑥ 完全代替ではなく、補完・使い分けで判断しているか

既存AIを一気に置き換えるのではなく、どの業務ならFugu系が補完できるかを切り分けます。戻せる設計を残しておく方が安全です。


⑦ 品質・コスト・人の確認負担を確認できるか

AIが自動でモデルを選ぶほど、結果だけでなくコストと判断過程を監視する必要があります。対外発信や金額が絡む業務では、人の確認を残します。



6. HSビルとしての現時点の判断

  • Fugu Max / Ultra v2を「最強だから」という理由だけで本番の顧客接点へ入れません。

  • まずは止まっても顧客へ直接影響しない調査・レビュー・内部検証から評価します。

  • 採用判断は、品質・速度・コスト・人の確認負担まで含めた実業務で行います。

  • 既存AIを全部置き換えるのではなく、補完できる仕事だけを見つけます。

つまり、今回の発表を受けた判断は「すぐ全面移行」ではなく「限定用途で検証価値が上がった」です。Fugu Maxのコスト最適化とUltra v2の高難度対応は注目に値しますが、中小企業のAI導入では、複雑さを増やさないことも同じくらい重要です。



まとめ


  • Fuguは単体の「通常モデル」ではなく、複数LLMを仕事に合わせて呼び分け・協働させるオーケストレーション型の仕組みです。

  • Fugu MaxとFugu Ultra v2は、同じ中核設計をコスト/性能と高難度性能へそれぞれ最適化した方向です。

  • Fable 5の完全代替と断定するには実業務での検証が必要です。

  • AI活用は「人が選ぶ → 固定ルールで選ぶ → AIが動的に選ぶ」と進められますが、全社が最終段階を必要とするわけではありません。

  • 重要なのはモデル数ではなく、品質・コスト・継続性・人の確認負担を含めて仕事が完了することです。


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よくある質問(FAQ)


Q1. Fugu Maxとは?

Fuguの中核オーケストレーション設計を、コストと性能のバランスへ最適化した方向です。常に最高コストのモデルを使うのではなく、仕事を処理できる必要十分なモデルへ振り分ける考え方が中心です。


Q2. Fugu MaxとFugu Ultra v2の違いは?

同じ中核設計を異なる目的へ最適化したものです。Maxはコスト/性能、Ultra v2は複雑・多段階の高難度タスクで高い性能を狙う方向です。


Q3. FuguはClaude Fable 5の完全代替になりますか?

現時点では断定できません。Sakana AI公表のベンチマークは参考になりますが、開発体験、長時間処理、安定性、コストは自社業務で検証する必要があります。


Q4. 中小企業にAIオーケストレーターは必要ですか?

必ずしも必要ではありません。1つの強い汎用AIや固定ルールの自動化で十分な会社も多くあります。業務が多様で難易度差が大きく、複数AIを使う理由が明確な場合に検討します。


Q5. 1つのAIだけでは不十分ですか?

不十分とは限りません。少ない業務を少人数で扱う場合は、1つのAIの方が管理しやすいこともあります。複数化は目的ではなく、継続性や品質を上げる手段です。


Q6. 導入前に最も確認すべきことは?

「その仕事に本当に動的なAI選択が必要か」を最初に確認してください。そのうえで品質、コスト、人の確認負担、戻せる設計かを見ます。



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HSビルワーキングスペースについて

HSビルワーキングスペースは奈良を拠点に、コワーキングスペース、個室ブース、貸し会議室、バーチャルオフィスと、法人向けAI活用支援を運営しています。自社の業務でAIを使いながら、実装・運用・検索導線まで含めた一次経験を記事に反映しています。



筆者プロフィール

筆者:HSビル AIメディア編集部 / 監修・運営:三宅悠生


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